top of page
カスミソウ

感染症対策

当院では歯科医療における感染管理のための、CDCガイドライン(米国疾病予防管理センター)を参考に感染症対策を行っております。

Ⅰ.手指衛生、処置前の口腔洗浄
Ⅱ.個人防護具の使用
Ⅲ.歯科材料の接触皮膚炎
Ⅳ.患者診療物品の滅菌および、消毒
Ⅴ.血液媒介病原体の伝播予防
Ⅵ.環境の感染管理Ⅶ.デンタルユニットの給水系、バイオフィルム及び水質
Ⅷ.針刺し、切創事故
Ⅸ.​ワクチンと健康管理
​Ⅹ.パンデミック対策

Ⅰ.手指衛生、処置前の口腔洗浄

手指衛生はすべての医療行為の基本となり重要な役割を果たします。CDCの"医療現場における手指衛生のためのガイドライン"に基づき滅菌効果の高さとアクセスの利便性、手荒れ防止効果から擦式アルコール製剤を使用した手指消毒を第一選択としています。
《手指衛生の基本原則》
​1.目に見える汚染がある場合:すぐに流水と液体せっけんで手指洗浄。
2.目に見える汚染がない場合:基本は擦式アルコール製剤を使用。
​3.グローブ着用の有無に関わらず、血液、体液など、またはこれらに汚染されたものに触れた際は、手指衛生を行う。
4.患者と接触する前後には擦式アルコール製剤を使用。また同じ患者であっても処置​の間に擦式アルコール製剤を使用。
(他の部位への交叉感染防止のため)

また処置前口腔洗浄によって感染予防ができる科学的根拠は乏しいですが、"抗菌製品を用いた口腔洗浄により回転式機器を用いた日常的な歯科処置中に発生するエアロゾルや飛散物中の口腔内微生物量を減らせる"ことが研究により示されています。CDCの"歯科医療における感染管理のためのガイドライン"に基づいて、患者さんから放出される発生するエアロゾルや飛散物中の口腔内微生物量を減らせる、また外科処置の際に患者さんの血流に進入する細菌数を減らせることを期待し、当院ではすべての患者さんに処置前口腔洗浄のご協力をお願いしております。

Ⅱ.個人防護具(PPE)の使用

血液や湿性生体物質から医療従事者を守るためにスタンダードプレコーション(標準予防策)の尊守が必要不可欠であり、中でも感染経路を遮断するための有効な手段がPPEであり、​いかに適切に使用するかが重要になります。

1.
グローブ:針刺し切創における感染リスクを減らす効果は明確ではないものの、一定の血液暴露量を減少させることが報告されています。当院では処置の内容問わず着用しております。また処置後のグローブの表面を汚染した病原体が着脱後の手指からも検出されたという報告があったことから、適切な着脱および使用ごとの手指衛生を徹底しております。


《グローブ交換のタイミング》
①患者さんごと
②同一患者でも汚染した部位から清潔な対部位を触れる際
③汚染した際
④破損やバリア機能が損なわれた際

※ラテックスアレルギーなどの皮膚障害の予防対策
当院ではNIOSH(米国国立労働安全衛生研究所)において推奨されている
非ラテックス製グローブ・たんぱく質含有量の少ないパウダーフリーグローブ​(バリア効果の高さとアレルゲン含有量について​評価の高いニトリルグローブを採用しております)をすべての患者さんに使用しております。また、『ラバーダム防湿』で使用するラバーダムシートもノンラテックスのものを使用しています。


2.
ガウン、エプロン:薬剤耐性菌対策としても有用であることから、当院では次の用途に用います。

*衣類の前腕部を汚染しやすい処置をする場合
*飛散する血液、体液が非常に多い場合
*感染力の強い感染症の患者に接触する場合
*患者に対し、被服の埃などを完全遮断する必要がある場合
※ガウンの選定に関してはAAMI(米医科器械振興会)の規格基準に準じ、術野の清潔度や感染リスクに応じて行います。



3.マスク:飛沫予防対策にはサージカルマスク、空気予防策においてはN95マスクを選択します。病原性が高く伝播時の険性が高い病原体に対しては、エアロゾル発生のリスクが高い処置時にN95マスクを着用します。

《サージカルマスク》
着用者が血液、体液由来の病原体飛沫に暴露するリスクを低減する、また呼気中の微生物から周囲の人を守ります。食品医薬品局(FDA)が定めた医療機器クラス1または2で規定されたマスクであり、性能を示す指標である細菌ろ過率(BFE)>98%​、微粒子ろ過率(PFE)>98%、液体防護性を確認したものを基準として使用しています。

《N95マスク》
空気感染源を捕集し、着用者の呼吸器感染リスクを低減します。当院では必要な場合にのみNIOSH(米国労働安全衛生研究所)のN95規格をクリアしたものを使用しております。


4.
ゴーグル、フェイスシールド:目(結膜)への暴露は感染リスクが高く、特に観血的処置の際には顔面に暴露されていることが報告されているため、当院では処置の内容問わず使用しております。使用後に医療用洗浄剤による洗浄を行っておりますが、特に血液、体液による汚染が強い場合には、洗浄後消毒用アルコールや次亜塩素酸で消毒を行っております。

Ⅲ.歯科材料の接触皮膚炎

金属やレジンなど、すべての歯科材料においてアレルギーを起こす可能性があると言われています。特に報告の多い歯科金属アレルギーについて、疾患病態、発症メカニズム、除去置換療法の奏功機序、治療効果など未だ不明な点は多く、具体的な治療のガイドラインは確立されておらず、各診療機関の判断で治療が行われている状態です。金属アレルギーとの関連が示唆されている口腔扁平苔癬は他の粘膜疾患や前癌病変との鑑別を含め専門医による診断が不可欠になります。また症状が口腔内ではなく全身の皮膚症状として現れることが多いため、医科歯科の連携を強化し適切な対応を努めております。

Ⅳ.患者診療物品の滅菌および、消毒

CDCの"医療現場における消毒、滅菌のためのガイドライン"に基づいて、医療機器を介した感染予防を行っています。
また、当院の歯科医師二名が
第二種滅菌技士(日本医療機器学会)の試験を合格し正しい知識を持ち、実践することで高度な安全性の確保に努めております。

《患者ケア用器具の洗浄》
器具の洗浄、消毒、滅菌は滅菌室で全て行っております。高水準消毒または滅菌する前には、汚れが乾燥しないように直ちに洗剤を用いて  洗浄します。使用する洗剤は医療器具の材料との適合を確認しております。 消毒、滅菌を損なう状態が確認できた場合は廃棄または修理しております。

《滅菌/高水準消毒、および低水準消毒の適応》
当院では、スポルディングの分類方法を採用しております。
クリティカル医療器具(抜歯や歯周外科などの外科用器材、根管治療用器材等)➡洗浄+滅菌

セミクリティカル患者ケア用器具(ハンドピース類、ミラー、印象用トレー、咬合紙ホルダー等)➡洗浄+滅菌

熱に弱い器材➡高水準消毒(グルタラール、フタラール、過酢酸等)

ノンクリティカル患者ケア用器具(歯科用ユニット、レントゲンコーン、カウンター、スイッチ等)➡低水準消毒(除菌クロス等)

血液、体液で汚染された場合➡中水準消毒(次亜塩素酸、エタノール等)

液体滅菌材、消毒剤は
有効成分最小有効濃度が確保されていること、また製造元の推奨する使用期限を日常的に確認しております。

Ⅴ.血液媒介病原体の伝播予防

血液媒介病原体(HBV,HCV,HIV)
抗生物質耐性菌(VRE,MRSA,多剤耐性結核菌など)

新興病原体(クリプトスポリジウム、ヘリコバクター・ピロリ、大腸菌0157、クロストリジウム・ディフィシレ、結核、SARSコロナウイルス等)
上記の伝播予防として当院では、CDCの"医療現場における消毒、滅菌のためのガイドライン"にある、"プリオン以外の病原体を除去するために、これらの消毒法を変更する必要はない"に基づいて
通常の滅菌および消毒法を採用しております。

Ⅵ.環境の感染管理

床やテーブルの上、病室の壁、ブラインド、窓、カーテンなどのハウスキーピング表面、また環境表面を定期的に消毒、洗浄しております。血液などの感染性物質を環境に暴露させた場合は、スタンダードプレコーションを尊守した上で手袋、ガウンを着用し次亜塩素酸溶液(汚染範囲に合わせて1:100あるいは1:10希釈液)を用いて汚染領域を消毒いたします。
※消毒剤の噴霧は空気や表面の除染には効果が不確実であり、吸引した際の人体への影響を考慮し当院では行っておりません。

Ⅶ.デンタルユニットの給水系、バイオフィルム及び水質

デンタルユニットの給水ラインに細菌、真菌、原虫などのかなりの数の微生物が定着することが研究により報告されていますが、​幸いなことに現時点では歯科用の水に暴露した歯科医療従事者や患者に健康上有害な影響の報告はありません。
しかし微生物学的な質が不明な水に曝露することは感染管理の原理に反してしまうという観点から、当院ではCDCの"医療現場における消毒、滅菌のためのガイドライン"に基づき以下のことを徹底して務めております。

1.EPA、APHA(米国公衛生協会)、AWWA(米国水道協会)が規定している飲料水の規制基準である
一般細菌数500CFU/mL以下のものを使用。
2.歯科給水ラインに連結した患者の口に入る器材は、
各患者が終了するごとに20~30秒間、水とエアーの排出を行う。
3.水質維持のための適切な方法や装置、水質検査に関しては歯科用ユニットメーカーの推奨に従う。
4.外科処置を行う際には、
滅菌された生理食塩水や滅菌水を用いる。

Ⅷ.針刺し、切創事故

当院では"汗を除くすべての体液、血液は感染性病原体を含むものとして扱う"という考えに基づき、針刺し防止対策として以下のことを実施しております。スタンダードプレコーションの徹底安全機材の活用適切な廃棄システムの確立また事故が起こった場合には速やかな対応ができるよう、マニュアルを作成し全スタッフが周知しております。"針刺し損傷防止プログラムの計画、実施、評価に関するCDCワークブック"の中で提唱されている11の基本ステップを参考に、安全機能付きの鋭利器材を計画的に導入しております。

Ⅸ.​ワクチンと健康管理

"ワクチンで防ぐことのできる疾病(VPD)はワクチン接種により予防する"​ということは感染防御の基本です。自分自身を感染症から守るとともに、自分自身が感染源にならないために少なくともVPDに対しての免疫を持っておく必要があると考えております。個人の厳格な予防というよりもクリニック全体の免疫の度合いを高めることを基本的な目標としております。

Ⅹ.パンデミック対策

新興、再興感染症のように病原性の不明な感染症の発生、流行の拡大が起こる可能性は常に考えられます。そうした中でスタッフが安心して働けるように、​また患者さんに医療を継続して提供できるように、当院では​事態を想定した事前の準備として以下の取り組みを実施しています。
①感染対策(防護具の備蓄)それぞれの
防護具の有効期間やサイズの確認などの管理を行っております。
②診療継続計画の作成新興、再興感染症の流行によりスタッフが感染し人手が足りない状況などを想定し、厚生労働省の"診療継続計画作成の手引き"の
10のステップを参考にした計画を作成しております。

LAGOMロゴ

〒659-0093  兵庫県芦屋市船戸町5-5 エベン・エゼル芦屋 302

​[ 診療時間 ]  09:00~12:00 / 

13:00~17:30

​[ 休診日 ]  

土・日 (不定期で診療あり)

​完全予約制

TEL  0797-69-6099

  • ホワイトInstagramのアイコン

© LAGOM oral maintenance clinic, All Rights Reserved.

bottom of page