セラミックの歯並び治療
- LAGOM oral maintenance clinic
- 2022年11月4日
- 読了時間: 2分
ある20代の人気タレントさんの「セラミックによる歯並び治療」を終えて喜ぶ投稿について、多くの歯医者さんから「将来が心配」という声があったことについて、ご本人が嫌な気分になったと投稿を削除するニュースがありました😢
なぜ、多くの歯医者さんが心配しているかというと…
「セラミックの歯並び治療」とは通常の歯科矯正とは異なり、“被せ物で歯の向きを変更し整列しているように見せる治療”のため、歯をたくさん削り神経をとる必要も多いです。
このような治療方法は、歯を失うリスクが一気に上がるのは根拠のあることだからです
モデルやタレントとしてのメディア露出が増え、今すぐ綺麗な歯並びが必要で自分で考えて選んだのに批判されるのは不快だと反論したというお話のようです。
さて、このお話から私たちが学びべきこととは何だと思いますか?
「被せ物で歯並びを治すなんて絶対ダメ!」
「自分が納得しているならいいじゃん!」
と平行線をたどっていますが…
これらの意見はどちらの立場としても無責任な発言であり、自分がどのような社会的立場で、どれほど影響力があるかあるか考えていない行動にみえます。
そもそも、医学的には「確実に歯にとって悪いとわかっていること」であっても、患者さんの希望でその方法が選択されることもあるということです。
①質の高いエビデンス ➁ドクターの能力や経験値 ③患者の希望と好み
この3つを統合して考えるのが EBM(科学的根拠に基づく医療) と言われるものです。
この中の1つだけで主張される意見においては、みなさんは十分に警戒する必要があります。
今回の場合、タレントさんは③のみを、コメントした多くの歯科医師は①のみを、公の場で主張しているのが問題だです。
ご本人が担当の歯科医師と十分に情報共有できており、納得されて選択されたなら全く問題ないことです。
ただ、情報発信したいならば、それを安易にとらえ採用する人がいることに配慮が必要です。
これは、SNSやメディアなどで歯科情報を発信している歯科関係者にも同じことが言えます。
見た目が売りのモデルやタレントさんが発信する「美容や審美に関する情報」と同じく、歯科の専門家が発信する歯科情報は一般の方にとって大変影響の大きいものです。
その情報が「誰のために、何のために」発信されているものなのか、一度イメージしてみると、偏った情報発信にも惑わされずに済むかもしれませんね🤍
信頼できる医学的情報ほど、言い切れることが少ないことをどうか知っておいてください😊
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